【理事長所信】

【はじめに】
 「からつ」という土地は、この国でもっとも早く文明がもたらされたといっても過言ではなく、「唐の津」という名が示すように、古代より紡がれてきた大陸との交流の証が驚くほど身近に色濃く残っています。さらに、幕末から明治維新を経て、近代日本を形成する激動の時代においては、様々な分野で日本をリードしていく個性豊かな偉人がこの地から生まれました。
 私たちは、そんな先人たちから、未知の可能性を切り拓く好奇心と行動力、そしてこの国を先導してきた英知と勇気と情熱を確かに受け継いでいるのです。

【青少年】
 人口減少が進む中、子どもたちはまさに「地域のたから」であり「国のたから」です。子どもたちの可能性は無限大であり、誰しもが真っ白で素直な心を持って生れてきました。「からつ」の、そしてこの国の明るい未来とは、子どもたちが自由に色とりどりの夢を描き、個性豊かな可能性をいかんなく発揮できる未来にほかなりません。
ここ数年で子どもを取り巻く環境は大きく様変わりし、私たちの時代には想像もつかなかった高度情報化社会の中で現代の子どもたちは成長しています。この潮流はとどまることなく、私たち大人が常に子どもたちの傍らで、全ての情報を確認し与えることは現実的に不可能です。
だからこそ私たち大人には、その真っ白で素直な心が間違った色に染まってしまわないように、「健全な道徳観と価値観」を子どもたちに伝えていく責任があるのです。
また、子どもたちにとって、親や周囲の大人とともに過ごす時間は何ものにも代えがたいものです。その際に親や大人から与えられる無限の愛情を子どもが感じ取り、大人たちが子どもの成長に対して責任を持つ、という覚悟を大人から伝えることができれば、子どもたち自身が自ずと学んでいくものがあるはずです。
そしてその経験の中で身に付けた道徳観と価値観は、これから子どもたちが輝かしい未来を切り拓いていく際の確かな道標となるはずです。

【国際交流】
 近年、政府は我が国の経済再生の柱として、諸外国へ向けた観光立国の推進に大きな期待をかけています。歴史と伝統に培われたわが国の文化は、魅力的な観光資源であり、訪日外国人観光客数も増加の一途を辿っています。
 「からつ」においても外国人観光客の受入れ態勢の構築が急務となっており、その過程において、青年会議所がグローバルな活動を行っているというスケールメリットが必ず意味を持つはずです。
青年会議所には金沢会議やASPAC、世界会議を始め、世界の仲間たちと交流を深め、自己の見識を広める機会が多数用意されています。自身の目で世界を視ることは、これからの国際化社会において、グローバルリーダーとなるための貴重な経験となります。そして、我々JAYCEEに課せられた真の国際交流とは、互いの個性と価値観を認め尊重し、恒久的世界平和を達成するために、力を合わせ共に歩むことに他なりません。そしてまた、世界から見た自国を知ることで、日本人としての誇りを改めて胸に刻むことができるはずです。
 唐津青年会議所は、47年の長きに亘り大韓民国麗水青年会議所と友情を育んできました。その間、国家間の関係は常に良好とは言い難いものでしたが、友情が途切れずに今まで紡がれてきたのは、根底に互いを思う気持ちがあったからこそに違いありません。真偽のほども定かでない報道に惑わされたり、批判を恐れて交流に対し二の足を踏んだりすることはやめにしましょう。自らの価値観を信じ、交流を通じ互いの魅力を見出し認めることが必要です。そして、そのような偏った風潮を打ち切り、未来に残さないことこそが、恒久的世界平和の確固たる礎になると信じ、心の通った真の交流を続けていきましょう。

【会員】
 私たちJAYCEEは常に未来を見据え、議論を交わし、先駆けて行動してきました。どれだけ素晴らしい理想を掲げても、行動に移すことができなければ、地域にとって必要とされる団体にはなれません。
 唐津青年会議所は、「明るい豊かなからつ」の創造という、一朝一夕には結果を出すことのできない目的を掲げています。この目的を達成するためには、柔軟性に富んだ英知、利他の精神に基づいた創造性、邁進していく勇気、そして青年ならではの情熱が必要です。
 個と個が結び付き組織となり、組織が集まり社会となります。誰しもが何らかの組織の一員として日々を過ごしています。しかしながら、組織を動かすのは言うまでもなく人であり、組織の在り方は人で決まります。唐津JCが地域に必要とされる組織となるために、私たちはメンバー相互の個性を認め合い、共に切磋琢磨し、常に研鑽を怠ることなく、個人の資質を高める必要があります。さらにはその有効手段として、出向制度やJCI及び日本JCの公式プログラムの活用があります。青年会議所では自身が求める限り、様々な成長の機会が用意されています。躊躇することなく成長のチャンスを掴み取りましょう。
 そしてまた、私たちには姫路青年会議所や糸島青年会議所という、たくさんの学びと気付きを与えてくれるとても素晴らしい友がいます。「からつ」とは異なる点から多くを学び、あるいは友の視点を通して「からつ」を見つめ、新たな気付きを得る貴重な機会としましょう。
 青年会議所活動において、私たちは組織作りという貴重な経験を得ることができます。個が活きる組織となるためには、まずは根幹として、目的の統一と、その過程においての各自の役割の理解、会員相互の尊重、そして規律ある運営が不可欠です。また、会議体である以上、組織の意思決定は会議の場で行うものであり、その際は活発な意見交換が行われるよう、十分な準備と心構えを持って臨みましょう。充実した会議は、個人の資質向上に大きく寄与し、会員間の相互理解を最も深めるものです。
 人は人との交わりの中でのみ磨かれます。楽しさばかりの関係でなく、自分の果たすべき役割を認識し、お互いの個性と考えを尊重し、共に高め合える友情を育みましょう。

【まちづくり】
 私たち青年会議所のみならず、まちづくりに取り組む個人や団体により様々な活動が行われていますが、人口減少を始めとする「地域力の低下」には歯止めが掛かっていないのが現状です。
さらには当事者意識の欠如による地域への無関心という、現在、政府の進める「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」では改善することのできない問題も「地域力の低下」に大きな影響を与えており、このままでは負の連鎖から免れることはできません。
「からつ」には「唐津くんち」をはじめとする歴史的側面を持つ祭事が多数あり、地理的特性に由来した、多彩な食にも恵まれています。また、万葉の時代から詠われる美しい景観を有する、誰しもが認める魅力に溢れた土地であり、この地に生まれた私たち皆が、「からつ」を愛する心を必ず持っていると信じています。
その心を単なる郷愁に終わらせず、「明るい豊かなからつ」の創造に向けての原動力とするために、まずは私たちが青年会議所活動で学んできた問題解決のための手法を伝播させ、市民の当事者意識の醸成を行うべく活動し、まちづくりに取り組む市民の先導者としての役割を果たしましょう。
そしてまた、「からつ」の未来のためにともに行動できる仲間を増やすことは、私たちを育ててくれた郷土への最大の恩送りでもあり、ひいてはこの会員拡大こそが、青年会議所運動の中核とも言えます。メンバーひとり一人が、この組織の存在意義と魅力を正しく理解し、それを他者へ伝えることができるように成長することが、まちづくりへの大きな第一歩となるはずです。

【結びに】
 私たちが心から愛し、そして大切な人たちが住み暮らす「からつ」。私たちがこの世に生を受けたのは、このまちの未来をさらに明るい豊かなものにするためであり、成長することこそが私たち青年の使命です。
志を同じくする友と、互いに切磋琢磨したそれぞれの個性はこのまちをより鮮やかに彩り、混沌を切り拓く光を放つはずです。自分を信じて力強く一歩を踏み出しましょう。
カラフルでさらに輝く「からつの未来」のために。